No.274 ナースの役職看護部長の仕事は医療行為ではなくマネジメント
ナースの役職の中でトップが「看護部長」です。50代頃に任命されることが多く看護部長の仕事は、患者への医療ではなく病院の運営。医療従事者として仕事をしていたナースがマネジメントを行います。看護部長の仕事と必要とする能力についてご紹介します。
看護部長とは
看護師の役職には「看護主任」「看護師長」「看護部長」の3つが主である。一般企業の係長が看護主任。課長は看護師長。部長を看護部長と例えることができます。看護部長になるには、25年以上の医療現場での経験を必要とすることが多く、基本的には50代以降の管理職となる。
注射や点滴といった看護業務に携わっていたナースが、看護部長になると役割が主にマネジメント業務となり、病院の運営者側になります。ちなみに、患者への医療行為は行わなくなるのが一般的。
看護部長のマネジメントとは何を指すのか
マネジメントとは、ヒト・モノ・金・時間などの使用法を最善化し、うまく物事を運営すること。また、そのようにして企業を維持発展させていく経営管理また経営者を指す。
看護部長は、ナース全体の状況を把握する必要があるため、他部署との連携が非常に重要なポジションとなる。そのため、副院長を兼任しているケースも。
看護部長の仕事
看護部長の仕事は以下のように看護の質向上のため、制度や政策を立案するチカラが求められます。
- ・新人看護師採用計画
- ・看護師の業務計画
- ・看護師長への指示
- ・看護師の教育方針また教育計画の作成
- ・看護部の代表として、運営側と現場を調整
看護部長の年収
看護部長の平均月収は427,573円。看護師長が370,949円。看護主任が327,143円。比較すると看護主任と看護部長の月収はそれほど大きく変わらない。なぜかというと、役職が上がるにつれ夜勤の回数や時間手当が減るため、出世してもトータルの給料はそれほど変わらないと言えるでしょう。
しかし、衰えてくる「体力」で仕事を続けるよりも、年齢が上がるにつれて「知力」へとシフトチェンジした方が効率良いのではないでしょうか。なぜなら、医療現場の経験や専門知識の豊富さは問題解決力、または改善や提案するチカラを発揮することができるからです。
また人間的厚みは、多くの人間を受け入れ、導くチカラを持ち、若人にはない年齢を重ねた人間の強みと言えるのではないでしょうか。
看護部長に求められていること
これまで看護部長は、所属している病院に長年勤務した看護師のトップの役職というのが、医療業界の一般常識でした。
しかし、今日では看護部長の公募が活発化しているのが現状です。求められる能力は、地域まで視野を広げた看護管理が実践できることが必須となり、患者を病院で看ることから地域で看ることへと変化しています。
- ■まとめ
- ・看護部長は、25年以上の医療現場を踏み50代頃に任命される事が多い。
・医療現場ではなく、病院運営者の1人になる。
・主な仕事はマネジメント業務。
・地域包括ケアによって、病院だけでなく地域まで視野を広げなくてはならない。
・看護部長の公募も増えている。