No.290 ナースの”心に響く”偉人の名言
フローレンス・ナイチンゲール、ヴァージニア・ヘンダーソン、看護師として働く者、(働いていた者)なら、これらの人物の名を一度は聞いた事があるのではないでしょうか?今回はこの内2人の偉人の残した名言をご紹介します。
フローレンス・ナイチンゲールとはどんな人?
1820年、イタリアのフィレツェで裕福な家庭に生まれたフローレンス・ナイチンゲールは、幼いころから語学や芸術などの英才教育を受けて育ちました。ある時、事前訪問で訪れた貧しい農村の暮らしを知って衝撃を受けた彼女は、奉仕活動の道を志す様になります。1851年、ドイツで看護の教育を受けた後、イギリスの病院で、無給で働き始めます。
1854年に、クリミア戦争が勃発すると、シスターと看護師を率いて現地へ赴き、負傷兵の看護にあたります。その時に就いた呼び名”クリミアの天使”が、後に看護師を指す言葉”白衣の天使”の由来になったとされています。
フローレンス・ナイチンゲールの言葉
”あなた方は進歩し続けない限りは退歩している事になるのです。目的を高く掲げなさい。”
- 解説
- 現代ではよく聞く言葉かもしれませんが、彼女の生きた時代に発せられたのは画期的な事でした。人は常に前進し、成長し続けなくてはならない。という普遍的なメッセージです。
”天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である。”
- 解説
- 現代でも看護師の事を指して白衣の天使と呼ぶ向きは残っていますが、その呼び名の由来となった彼女自らの言葉として、清楚、可憐、という、世間の抱くイメージとは違う、看護師と言う仕事の苛烈さを言い表した言葉です。綺麗事だけでは済まない、この仕事のシビアな面を言いえている言葉です。
ヴァージニア・ヘンダーソンとはどんな人?
ヴァージニア・ヘンダーソンは1897年アメリカ合衆国、ミズーリ州のカンザスシティに生まれました。兄弟たちが、第一次大戦に従軍したのを機に、自分にも何か出来る事は?と考え、創設されたばかりの陸軍看護学校に入学します。そこで、生涯の師となるアニー・ウォーバートン・グッドリッチと出会い、強い影響を受けます。
1921年に同校を卒業後、看護師として働いた後、看護技術指導者として地域の看護業界の発展に寄与し、1932年にコロンビア大学ティーチャーズカレッジを卒業、2年後には看護教育で修士号を取得、1943年から1948年までコロンビア大学で教鞭をとった人物です。
彼女の記した本、「看護の基本となるもの」は現代まで読み継がれる名著となっています。
ヴァージニア・ヘンダーソンの言葉
”自らを知る事は他者を知る事の土台であり、自尊の念は他者を敬う事の基本である事は過去においてもそうであったように、今も事実であり、おそらく未来においてもそうであろう”
- 解説
- この言葉の意味は、看護の職に就く者が、まずは己を知り、自分自身を認めてこそ、看護を必要とする人を理解し、敬う事が出来るという意味に解釈できます。自分を肯定できない人が他者を肯定する事は難しいという意味でもあります。
- ■まとめ
- 今回は、フローレンス・ナイチンゲールとヴァージニア・ヘンダーソン、2人の偉人の言葉をご紹介しました。このほかにも、たくさんの言葉を残していますので、ご自身でも是非、調べてみて下さいね。