No.172 看護師にとってグループワークの重要性とは!?
看護師は、座学(知識)だけを学ぶだけでは不十分であり、患者さんと寄り添う体験を多くしていくことによって、看護師としてスキルアップしていくものです。そのため、人との関わりを多く取り入れて成長していくために、グループワークを中心に看護学校では、メンバー同士で本音の交流を行う活動も取り入れられています。
ここでは、看護師学校のグループワークの実習内容を見ていくことで、現在看護師として勤務している人でもスキルアップしていける取り組みをまとめましたので、一緒にみていきましょう。
グループワーク・トレーニングってなに?
グループワーク・トレーニングとは、3~6人程度で、共通した課題に取り組み「協調性や責任感を育むトレーニング」です。
課題達成のために、情報を数人のメンバーに均等に配分し、お互いの情報を交換する必要があります。また、責任を数人のメンバーで分担し、互いに協力していくことも大切です。
特徴として、メンバーと協力し、責任を果たすことを通じてパティシペーターシップを高めることになります。
パティシペーター(participatership)とは?
◎自分自身に気付く
◎他者、メンバーに気付く
◎グループの状況に気付く
◎グループの一員として適切で効果的な行動をとる
このように「パティシペーターシップを高めメンバーで解決する」という目標がはっきりとしているので、グループワーク・トレーニングは看護師としての自己成長に必要なことといえるでしょう。
コミュニケーションの円滑化を図る、インプロ・ゲー
インプロ・ゲーム(インプロヴィゼーション)とは台本も打ち合わせもない状態で、その場の状況や相手に素早く反応し、仲間と共に共通のストーリーを作っていく活動です。
インプロヴィゼーションにおいては、他者のアイディアを受け入れ、アイディアを加えるという考えが根底にあり、自分からアイディアを出さないとゲームが進まないものが多いので自然とアイディアを出す機会が増えて、自己主張能力を高めることができます。
看護授業でインプロ・ゲームを行うことで、コミュニケーションの重要性や他者を受け入れることの重要性を高める狙いがあります。
国際看護論を通して、臨機応変に対応する能力を培う
ランダムにグループ分けされたグループワークの中で、最も特殊な討議が国際看護論です。例えば「国際的健康支援を必要とする国を1つ選び、その国の文化・健康問題・医療事情を調べ、看護職としてどのような貢献ができるか」について討議しまとめるというものがあります。
各グループは、それぞれの担当の国についてプレゼンなどを行い、実際に画像や動画などでポイントを説明しなければいけません。このような、グループワークの取り組みから、どんな状況(ランダムのグループ)においても臨機応変に対応し、冷静に対処する能力を培うことが、看護師に求められているといえるのではないでしょうか。
率直に発言することが求められている
教育目的で行うグループワークにおいて、発表するのが上手な学生が評価される事がある中で、成果(結果)ではなく、そこに至るまでのプロセスや、どのような人間関係があったのかを見ていくことが重要です。
例えば、グループワークにおいて、ときにはネガティブな発言をしてもいいのです。その際に、賛同するのであれば拍手し、時には意義を申し立てる、そういったことがグループの中で行えると、自然なコミュニケーションを生み出すことにつながります。
また、グループワークの場では、自分の考えたことを率直に発言することが大切で、発言した内容に関して後に、とがめられるようなことがない環境を作ることが必要です。
グループワークを通して、同じ環境で共有していく内に、自然と様々な仲間と関わることが増えていきます。お互いに共有するルールが出来ていくことで、スムーズなコミュニケーションのやり取りができ、総合的な評価につながっていくのです。
看護師には、活躍の場がたくさん待っています。看護師としての力を発揮できる転職先をお探しの際には、ナースジョブがお手伝いさせていただきます。