No.193 ナース(看護師)のお休み 働き方改革で変わる点について
日々、入院や外来の患者さんの医療ケアに携わるナースの皆さんの休日は、サービス業と同じくシフト制で不規則になりがちです。「家族と休日を合わせたい」「体力的に厳しい」という理由で、転職を希望される方も多いようです。休みと働き方改革で変わる点について紹介します。
ナースの平均的な休日数とは?
2019年4月から施行された働き方改革の関連法で、ナースの働き方や休日はどう変わるのでしょう?
下記では、ナースのお休み事情や働き方改革が施行されたことによって、緩和された点などに着目していきたいと思います。
週休2日制で年間休日数が125日ほどある一般企業に比べ、ナースの休日は4週間でおよそ6日〜8日となり、年間では110日程度の休日が平均的となるようです。4週間で6日あるいは8日ですと年間休日数に到達しませんが、これらは週の休日などを調整するために充てられるようです。ちなみに、病院によっては年間休日数が120日〜130日あるところもあるようです。
働き方改革によってナースの休日数や残業時間はどう変わったのか?
看護職に関連する働き方改革で、着目したいポイントは3つあります。
◎時間外労働における労働時間の規制
今回施行された働き方改革関連法においては、残業時間の制限規制が義務付けられています。これはひと月の残業時間を45時間とし、年間で360時間以上残業をさせてはいけないという事業者への規制です。万が一、事業者に違反が認められた場合、6か月未満の懲役もしくは、30万円未満の罰金が課せられることになります。
※特別な事由により規定の残業時間を超えてしまう場合(ひと月の残業時間が100時間を超過した場合・複数月平均が80時間を超過した場合・年間で720時間を超過した場合)、罰則が課せられます。
※この残業規制の対象となる医療機関の規模は、パートタイマーを含む100人超えの医療機関となります。
◎有給休暇5日取得が義務化された
労働基準法においては、勤続半年以上の労働者に10日間の有給休暇が取得できる権利がありますが、人の命を預かる医療機関においてはこの取得がなかなか難しい状況です。
そこで働き方改革関連法では、最低限取得しなければいけない有給休暇を年間5日と定めています。これにより、有休が取りにくいとされる20代の方も平等に有給休暇が取れるよう、本人からの申請とともに事業者が本人の希望を聞いて休暇を指定する方法も組み込まれています。
◎努力目標として勤務間インターバルが導入
勤務間インターバルとは、今日の業務を終了して次の業務に入るまでの間の時間を言います。公益社団法人日本看護協会では、看護師の健康と患者の安全を考慮し、勤務間インターバルを11時間と薦めています。働き方改革関連法ではこれを義務付けてはおらず、各医療機関の努力目標として掲げています。
- ■まとめ
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大切な人の命を預かる医療の現場において、月の休日数や有給休暇の取りづらさ、前の勤務から次の勤務までの時間の問題など、多くの課題があります。より良い医療体制を提供するために、ナースとして従事する方々の健康も大切です。さらなる勤務体制、休みの在り方が充実することを望みます。