No.206 ナースに推奨している正循環三交代について
ナースの勤務時間とは、患者さんの安全にも関連する事柄です。働き方改革を推奨している社会に対してナースの立場としては、非常に微妙な問題に違いない事でしょう。今回はナースの三交代について、働き方に焦点を当てています。
勤務先によって働き方は異なる
ナースにとって、夜勤での働きを避けて通る事は出来ませんが、シフトによってナースの負担にならないような働き方が求められています。
患者さんも大事ですが、ナースは自分達が健康であってこその職種と言えます。医療行為には、些細なミスが大きな事故にも繋がる危険性があるので、何よりも自分達の体調管理は、万全でなければならないのです。そこで重要となるナースの働き方ですが、大きく分けて、二交代勤務と三交代勤務に分かれています。
この勤務体制の決め方は、病院や介護関係の施設など勤務先によって、シフトが多少異なるのは致し方ない事です。この場合の要因は、職場におけるスタッフの人数や患者に対するケアの違いなどによって、勤務体制が決まっていると考えられます。
正循環三交代勤務を推奨するわけとは
勤務体制の実施には、それぞれのメリットやデメリットがありますが、やはり問題となるのが、二交代制では労働時間が長くなる為に、肉体的な疲労面が懸念される事になってしまいます。三交代勤務によって、ゆとりのある勤務体制を組む事が出来るので、「日本看護協会」によると「三交代の正循環」によるシフトを推奨しています。
◎正循環勤務とは
前の勤務時間の開始から、次の勤務時間の開始までに24時間以上空ける場合の働き方を「正循環勤務」と言います。逆に、勤務時間が24時間以内に勤務するシフトの場合を、「逆循環」としています。
働き方の仕組みとしては、日勤開始が午前8:30~17:00まで、次に準夜勤の勤務が翌日16:30~深夜1:00まで、休日をはさんで、翌日深夜0:30~午前9:00までのシフトになっています。このように、勤務時間を大きく空ける事で、ナースに対する勤務体制にゆとりをもたらす事が狙いにあるのです。
◎72時間ルールとは
ナースの深夜勤務の負担を減らす制度です(2016年より)。深夜勤務の合計時間を看護師の人数で割った時間が、72時間以内でなければならないという事です。8時間の夜勤も新たに含まれます。
看護師の体調面に貢献
三交代勤務を推奨する最大の理由が、ナースの体調面に大きなプラスとなっている事です。二交代制度のように長時間勤務では、疲労の蓄積などが仕事に影響する事でしょう。
ただし、三交代制度では、連休が取りにくい事や休日が短く感じてしまう事は否定できません。プライベートで羽を伸ばしたい気持ちも理解できるのですが、ナースの原点に立ち返り使命感や、やりがいを感じて患者さんに接する事を望んでいます。
- ■まとめ
-
「日本看護協会」では、正循環三交代について推奨しているのですが、勤務先での人数の確保やシフトの体制も、患者さんと看護師の関係や条件によって異なる為に、実行できるとは限りません。そのような場合に働く環境を変える事で、ナースの勤務体制にプラスになる事もあるのです。転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。