No.223 清掃もナース/看護師の重要なお仕事!?
「看護師という専門知識とスキルを持った人が清掃?」と思うでしょう。清掃は医療行為ではないので、外注委託業者へと言う病院も沢山あります。しかし、開業医などのクリニックは、外注委託するほど余裕はありません。そのため自分達でするしかありません。看護師が清掃する意味や価値について考えてみましょう。
清掃の持っている意味と価値
ここでは、病院の清掃に限らず一般にも広げて、この清掃効果について考えてみたいと思います。後述しますが、看護師の清掃という事案は、とても否定的な見解が多く聞かれます。そこで、広い意味で掃除とは何かを考えて看護師の現状から説明したいと思います。
- ◎掃除の7つの効用について
- 【1.清掃上手は気配り上手】
清掃とは、気付くことです。「どこが汚れているのだろう?」「ここはもっと綺麗にした方が良いかな」など。汚れに敏感に気付くことが大事です。 - 【2.綺麗にするのは思いやり】
清掃して誰かが喜ぶ顔が見たいから、いつも様々な所や部屋を清掃することは相手を思いやることに繋がります。 - 【3.清掃は全身運動になります】
清掃することで運動不足の解消になります。痩せたいからという理由で熱心に運動する人は沢山います。それならば、「患者さんの為」と心に意識して行ってみてはどうでしょう。 - 【4.清掃に伴う整理整頓】
心と頭を整えてくれます。看護現場に関わらず良い仕事をする為には、整理整頓が大切だと多くの職場で言われています。このことを言う会社経営者などは多いです。 - 【5.不要なものを捨てて得られること】
断捨離が言われて久しいですが、本当に必要なものが分かります。それによって、欠損している備品や足りなくなっているものにも気付くこともあるでしょう。 - 【6.清掃は内面を磨くこと】
剣道、弓道、茶道、華道など道のつく武術や稽古事は、清掃が非常に大切な心の修行とされています。稽古や修行も始まりと終わりに必ず清掃するのですが、内面と向き合い、心を磨く為には清掃が一番大切とされています。看護師の仕事を仕事から看護道まで引き上げてみてはどうでしょう。 - 【7.掃除を毎日続けることの価値】
毎日掃除をしていると、一見昨日と変わらないように見えても、よく見るとたった1日の間で意外にも汚れていることに気付きます。毎日同じことを繰り返していても、小さな変化に気付けたなら、それがどんな些細なことでも嬉しいと思います。
患者さんの小さな変化にも気付くことにもなると思います。時にその小さな変化が患者さんの体にとっては、大きく重大なものであったりする場合もあるでしょう。
看護師の一般的状況
大規模な医療施設では業務分担が進んでおり、清掃は専門業者に外注委託している場合が多いです。しかし、街中の開業医のクリニックや寒村の病院、医師一人、看護師と受付数人程度の所では、看護師が掃除しなければならない状況です。
多くのクリニック等は、経費がかさんでしまうということで看護師に清掃行為が任されるということが起こります。その為、業務内容を巡り「なぜ、看護師の私が医療行為でもない清掃行為をしなければならないのですか」等トラブルもあるようです。
専門性の高い知識とスキルと国家試験で保障されている看護師の方に、医療行為でもない清掃を命じて良いのかと思われる先生方もいらっしゃるでしょう。その一方で開業クリニックに多く見られるようなのですが、やって当然という上からの目線と態度で清掃しなさいと言われる所もあるようです。
清掃への動機付け
看護師さんの理解を得る為にも、清掃への動機付けが重要だと思います。
- 清掃を疎かにしていると患者さんに良くない印象を与え、集患数にも影響しかねないことを伝えましょう。
- 資金が少ない等の医療施設では、専門の清掃業を雇う経済的な余裕がないことを伝えましょう。
- 清潔な空間を提供することは、看護業務の1つであることを伝えましょう。
その他に、清掃を勤務時間に組み入れてみることもポイントです。スタッフに理解を得ようとするなら、院長室の清掃をご自分でやってみることをお勧めします。自分達のクリニックは自分達で綺麗にするものという共通認識が必要ではないでしょうか。感染症対策の上でも、清掃は重要な仕事なのです。
- ■まとめ
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看護師の働きに理解と敬意を示し、施設側と看護師側の歩み寄りと話し合いにより、清掃行為の合意形成をしていきましょう。清掃の有する意味と価値を念頭に看護業務に新しく清掃を入れて看護道に進んで下さいますようお願い致します。