No.234 知っておきたい基礎知識ナースの夜勤体制
看護師の勤務体制には交代制度がつきものです。入院患者に対し、緊急な対応が必要な為に、どうしても看護師の勤務体制に夜勤を組み入れる必要があるわけです。改めてナースの夜勤体制の基礎知識を確認しておきましょう。
交代制によるシフト勤務
「看護師のシフトは、医療機関によって異なり、2交代の勤務と3交代の勤務になっています。それぞれの医療現場で多少の時間や長さに違いがあるものの、概ね似通ったシフトを構成しています。この勤務シフトによって、看護師の引き継ぎや勤務内容が決められていきます。
- ○2交代制のシフト例
- 日勤と夜勤に分けて勤務を行います。仮眠を取る時間が必要なので夜勤の拘束時間が長くなります。こちらでは一般的なシフトの例を挙げます。
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- 日勤の勤務時間は朝からで、8:30〜17:30で行います。
- 夜勤の勤務時間は夕方からで、17:00〜9:00で行います。
- ○3交代制のシフト例
- 勤務時間を日勤と準夜勤と深夜勤の3つに分けています。3等分の時間と引き継ぎの時間を考えた構成になります。
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- 日勤の勤務時間は朝からで、8:00〜16:30で行います。
- 準夜勤の勤務時間は夕方からで、16:00〜24:30で行います。
- 深夜勤の勤務時間は夜中からで、24:00〜8:30で行います。
夜勤における2交代制の勤務内容
勤務場所によってシフト内容が定められています。基本的なスケジュールと日々の病院内における患者の移動や入退院、そして担当する患者によって処置内容の変更確認して、それぞれの勤務で対応して行きます。こちらでは17時始業を例として、大まかな夜勤の流れを紹介しましょう。
- ○勤務時間の30分前に出勤して着替えを済ませておきます。
- ○17:00から始業する場合は、日勤看護師と注意点などを引き継ぎします。
- ○17:30頃、カルテ整理や確認を行い点滴交換、巡回をします。
- ○18:00頃、配膳や食事の介助を手伝います。
- ○18:30頃、薬を与える事や口腔ケアを実施します。
- ○19:00頃、検温や血圧測定、おむつ交換や体位交換などで動けない患者のケアを行います。
- ○20:00頃、状況を見て個別に休憩を行います。
- ○21:00頃~、消灯と巡回を行い、おむつ交換や資料整理などを行います。
- ○夜中2:00頃、交代で仮眠を取ります。
- ○夜中4:00頃、異常がないか巡回を行います。
- ○朝6:00頃、患者さんに放送などで起床をお知らせます。検温や点滴交換を行います。
- ○朝7:00頃、配膳や食事の介助を手伝います。
- ○朝7:30頃、薬を与える事や口腔ケアを実施します。
- ○朝8:30頃、日勤看護師と報告や引き継ぎを実施します。
- ○朝9:00過ぎ、着替えを済ませて退勤します。
※3交代制は、それぞれの役割を3等分するので、各勤務先で勤務内容が異なります。
夜勤専属のパートやアルバイトも存在する場合があります。
夜勤での仮眠の重要性
夜に睡眠を取る事が人間の体に良いとされていますが、夜勤でまともに睡眠が取れていない場合があるかも知れません。しかし、可能な限り仮眠を取る事で疲労回復にも効果的になっていますので仮眠は重要です。
理想的な仮眠時間は2時間です。2時間は睡眠の周期的に理想的な時間とあります。また、深夜の3時〜6時の間は、最も睡眠が必要な時間帯となっています。
昼間の3時間睡眠と同じくらいの効果が、夜勤の1時間仮眠と匹敵するほどの効果を期待できます。それだけの疲労回復効果が期待できるので、夜勤でも仮眠を取る事を大事にしましょう。
- ○診療報酬と働き方改革との兼ね合い
- 医療従事者に対しても、働き方改革が関わってきますが、現実的には人手不足の問題もあり実行できていない問題もあります。その為、実行する為には、勤務体制を見直す事と、病床数の問題がネックとなっています。患者の受け入れにも影響が及ぶ場合もあり、人出不足の課題が重要となってきます。
- ■まとめ
- 看護師の夜勤は、昼勤に比べ大変と思うかも知れませんが、夜勤の重要性は、看護師本人が理解している事でしょう。どうしても辛い場合には、パートやアルバイトで勤務体制を見直す事も可能です。夜勤の勤務の重要性を考える事と、今後の勤務スタイルを考えた場合に、医療勤務先を転職する事で、働き方を選ぶ事も選択肢の1つです。