No.266 ナースドラマと実際の現場の相違点
ナースへの転職または志している方の中には、ドラマから影響を受けたという人も多いでしょう。ここでは、ナースドラマと実際の現場を比較し「ここはちょっと違うんだけどな」という点を指摘した上で、就労に関する参考にしていただければと思います。
ナースドラマはどのくらい正確に再現されている?
フィクションとはいっても、ナースが活躍するドラマは本職に携わるプロの手で監修を受けている場合がほとんどです。しかし、エンターテインメントとしての側面も持ちますから、テレビの視聴者の認識に配慮し、脚色が試みられているケースも多いのが現実です。
ここが変だよナースドラマ
以下に、ナースドラマでよくある「これは変じゃないのか?」というポイントを3つほどまとめて紹介いたします。
- ◎「一体この人たちは、いつ休んでいるのか?」という疑問
- 病棟にいたはずのスタッフがオペ室にもいたり、はたまた外来にもいたりと、「一体いくつの現場を兼務しているんだ?」という点です。また、実際の現場と比較して、ナースやスタッフの数があまりにも少なすぎるという点も挙げられます。これも、現実的にはありえないことです。
さらに「この人たちの勤務表は、一体どうなっているのか?」と疑ってしまうほど、いつも同じメンバーばかりが登場するという点です。総じて言えるのは「これでは片時も休む時間がない」と首を傾げる点です。
- ◎顔面偏差値が高すぎる
- ドラマのキャストはいずれも有名な俳優さんたちなのですから、これは仕方がないことです。しかし、実際の現場から言わせれば「あんなイケメンイケジョだらけの病院なんて、存在するわけがない」という点なのです。
休んでいるシーンがほとんどないにも関わらず、登場人物の肌がツルツルだったり、しっかりと身だしなみが整っていたりなど、現実にはありえない状態であると言うことができます。
- ◎不自然な医療現場のシーン
- 「患者が点滴をつけているのに、滴下していない」「モニター上の脈拍がずっと一定のまま」「人工呼吸器を付けている状態の患者が会話をしている」など、実際の医療現場ではありうるはずがない、また医学的に起こりうるはずがないシーンが散見されます。
さらには、オペ中にスタッフ一同がケンカを始めたり、患者の遺族が乱入したりなど、さすがにこの演出は無茶苦茶であると、言わざるをえません。それでも、患者の脈拍が正常値をキープしていたりする点など、ほとんどホラーであるとさえ言えます。
これらの不自然な要素は、番組の演出上仕方のないことです。フィクションはフィクションだと割り切り、寛容な精神で鑑賞するのが良いでしょう。むしろ「実際はどうなのか?」と調べてみることで、就労に関するヒントを得られる可能性があります。
- ■まとめ
- ナースドラマを引き合いに、実際の現場ではどうなのかということを解説してきました。ナースを志している方は、所詮はフィクションだからと否定せず、就労の際の大きな参考として作品を鑑賞してみると良いでしょう。