No.273 新人ナースさん必見!? 使用される略語・隠語は必要?
病院で働く人の中には経験豊富な先輩ナースさんやドクターもいれば、新人の看護師さんや医療従事者の方もいます。現場に着任して「医療現場で使われる略語・隠語」は経験の差が出る1つの事柄では無いでしょうか。今回は、なぜ略語や隠語が必要なのかを解説し、略語・隠語の一部をご紹介します。
略語の有意性とは?
現場で使われる「略語・隠語」は本当に必要なのでしょうか?
答えは「必要なこともある」です。ナース向けに実施されたアンケートでは「とても必要、または必要である」と答えた現職ナースさんは44.5%と約半数は必要性を感じていました。その理由としては以下の通りです。
- ・申し送りの時間の短縮に繋がる
- ・患者に意味を理解されないため
- ・統一されていて共通理解があり使いやすい 等
しかし、現場に入ったばかりの新人ナースさんは、沢山の略語や隠語が飛び交い慣れない現場で困惑している事実もあります。そのような場面に遭遇した時は、先輩や同僚に聞いたり、自身で調べたりという工夫が必要でしょう。
なぜ患者に意味を理解されないように配慮するのか
これについては、医療現場で使われる「言葉の印象」に問題があるのではないでしょうか。例えば、「トリアージ」は災害の現場で使われる用語です。「負傷者の緊急性・重症度に応じて分類して治療の優先順位をつける」との意味があります。
これを聞いた、緊急性の低い方はどう思われるでしょうか?
「なぜ治療に優先順位をつけるのか!」と、怒り悲しむ方もいらっしゃるかもしれません。
その他にも、「3次救急」という用語があります。「命に危険が及ぶ危篤重症患者への対応」という意味です。患者の親族などがいた場合、「重症・危篤」という言葉を聞いてパニックを起こしかねません。
このような理由から、患者や親族など一般人に悟られない配慮の為に業界用語や略語・隠語が必要だと言えます。
新人ナース必見!? 覚えたい略語と専門用語
全ての現場で使用されるというわけではないのですが、使用されることが多い言葉を新人さんが覚えておきたい略語として「業界用語」をご紹介いたします。
- 〈入退院に関する用語〉
- ・アドミッション→入院
・エント→退院
・エッセン→食事
・オンコール→呼び出し
・頻コール→何度も呼び出しされるナースコール
- 〈処置に関する略語〉
- ・IM(アイエム)→筋肉注射
・IV(アイブイ)→静脈注射
・F・Fr(フレンチ)→カテーテルのサイズ単位
・G(ゲージ)→カテーテルのサイズ単位
・V(バイタル)→脈拍・血圧・呼吸・体温の生命兆候
・A(アンプル)→注射剤を保存する密閉容器
- 〈救急で使われる用語〉
- ・1次救急→風邪の高熱や家庭で処置できない症状を診察治療する事、初期救急
・2次救急→手術や入院が必要になる患者が対象、救急対応
・3次救急→命の危険がある、または重症危篤患者への救急対応
・ICU(アイ・シー・ユー)→集中治療室のこと
覚える業務も沢山ありますが、円滑なコミュニケーションを図るためにも用語や略語を覚えておきましょう。
- ■まとめ
- 自身で略語・隠語・用語を調べ覚えることも必要ですが、コミュニケーションの一環として先輩や同僚と共有することは必要と言えます。病院や地域では特に「隠語」の意味が違ってくる場合があるため注意しましょう。