No.286 ナースの仕事 ~外科と内科の違いと外科に向いている人~
ナースの仕事は、日々訪れる様々な患者と向き合って治療行為をするものです。その際に外科と内科に分けられて医療処置がとられていますが、この両者は何がどのように異なるのでしょうか。診療科が違うと仕事内容も変わります。今回は、両者の違いについてと外科に向いておられる方などの解説をします。
外科と内科の違い
医療機関において外科と内科がありますが、一体何がどのように違っているのでしょうか。そのところを述べてみましょう。
外科について
この診療科は、大きく分けると専門分科と一般外科に分けられます。
- 「専門分科」
- 一般外科より範囲を絞った特定の部位に、手術や医療措置をします。この専門分科は約20種類あり、より専門性の高い知識や技術を有した医師が関わります。胸部・脳神経・消化器・心臓血管・小児・整形などの外科があります。
- 「一般外科」
- 総合病院などは初めに一般外科で診察を行い、その後専門分科に通される場合もあります。一般外科で治療する代表的な疾患では、頚部リンパ線炎・甲状腺腫の頚部の疾病や腹部外傷・外傷性疾患、消化管の炎症性疾患などがあります。
内科について
この診療科では、外科同様に幅広い疾病治療を行います。内科は、薬剤を使用して病気の治療をはかるという点が特徴です。体調不良があっても原因が不明な場合、まず内科で診察を受けます。診断のもと外科やその他の診療科に引き継ぐケースもあります。
ナース(看護師)の働き
外科・内科ともに外来と病棟があり、それぞれ求められる仕事内容は変わります。外科の場合、外来は来院された患者に、現在の状態や症状などについて問診票で確認し、診察室へ導きますが、緊急性のある方が運ばれることも度々で、優先度の判断をすることもあるので、臨機応変な対応が求められます。また患者の介助、診察、治療が速やかに行えるよう支援します。
病棟では、手術前や後など精神的な支えとなりケアしたり、バイタルの管理をしたりします。他には、外科の入院患者は入れ替わりが早いので、スムーズな対応と外来看護師との連携も要します。
内科では、外来時の際医師の診察支援が主な働きとなります。医師の指示により点滴や検査をします。薬剤での治療が主なので、内服の確認作業もあります。また病棟では、内服や点滴が中心になります。入院患者の方が症状の重い場合が多いので、日々のバイタルチェックや状態の観察、薬の管理が重要です。
外科に向いている方について
この診療科を経験したナースが身につけられるスキルは、判断力・観察力・高度な処理能力などですが、先にこの外科に向いている方のことについて述べます。
この診療科には、沢山の方が患者として訪れます。速やかな治療や診察には、ナースの要領のよい機敏な仕事ができる人が向いています。なぜなら緊急性ある場面で、適切な判断や対応をなさなければならないからです。
また急患も多く来ます。出血しながら運ばれる患者や突然状態が急変する患者もおられます。このような患者に向き合う仕事の特徴から、仕事とプライベートの切り替えができる方のほうが向いています。
ナースは患者の健康や命を預かる働きをします。そのため責任感のある対応が必要です。緊急の対応が求められる時、そこに「自身のとる行動一つが患者に多大な影響を与える」という意識があれば適正があると言えます。
- ■まとめ
- 以上、外科と内科の違いや仕事内容、外科ナースに向いておられる方などについて述べてみました。外科に移りたいと希望するナースも多いと聞きますが、適正などを考え自身にとって良い選択を願います。