No.294 ナース自身の為の立ち回り方
ナースの仕事の中で、最も責任重大な仕事の1つと言えるのが、臨床現場における立ち回りではないでしょうか。ナースは患者さんと接する事が多く病棟の他でも、手術室などその場に合った最適な立ち回りが要求されます。その際に要求された事を完璧にこなすのが、最も重要なポイントではないでしょうか。今回は臨床現場でのナースの立ち回りを見てまいりましょう。
手術室でのナースの立ち回り
手術室は臨床現場では最も患者様との距離が近い場所と言えます。手術室では医師やナースが1つのチームとしてその場に臨みます。責任者としての医師の指示に従いナースは更に一手先を読む行動が要求されます。器械出しや外回りとその守備範囲は広いのです。
- ●外回りナース
- 映画やテレビなどで手術シーンが映し出されたとき、よく医師がナースに「汗」などと声をかけるシーンがありますが、この汗をぬぐう仕事も外回りナースの業務です。これらの仕事以外にも外回りナースは多くの事をこなさなければなりません。
- 例を挙げると、手術を受ける患者の手術前チェック・手術中の患者の観察と記録と、手術進行に応じた必要物品の用意や麻酔の介助など多岐にわたります。この様に外回りナースは手術の進行に無くてはならない存在なのです。
- ●器械出しナース
- こちらもドラマなどで見た事がある方も多いと思いますが、医師がメスと言ったら、医師に手術用メスを手渡す仕事です。その手術に必要な器械(手術道具)を把握しており、必要な順番に道具を整頓して準備し、医師が手術に集中出来る様にサポートする事が仕事です。
- 器械出しナースの仕事は、手術に直接関与するので「直接介助」と呼ばれる事もあります。器械出しナースのスキルは、手術進行に大きく関与するものですから手術における役割はとても大きなものと言えます。
- ●手術室看護師の立ち回り方
- この様な手術に立ち会い仕事をこなすナースは、”手術室看護師”と呼ばれますが、特別な資格が必要と言う事ではありません。大きな病院では一般のナースから選ばれ手術室ナースになるケースが殆どです。外回りナースと器械出しナース双方の兼務が要求される事もあるようです。
- 器械出しも外回りも、手術室ナースである以上、原則的にはどちらの業務もしっかり訓練し、出来る様にならなければなりません。しかし、病院によっては兼務ではなく専任される場合もあるようです。
ナースの立ち回り
ナースの業務はとても範囲が広くまた深いものです。それ故、ナースは常日頃から向上心を持つ事が求められます。一般病棟のナース・外来受診を担当するナース・手術室ナースなど同じナースでも所属先が変わればそこに合った立ち回りが要求されます。
- ■まとめ
- 本来の立ち回りの意味とは、「自分が有利になるよう、工夫して行動する事」です。自分が有利になるという事は、如何に普段から、それらの事柄に精通し理解しているという事だと思います。立ち回りが上手いという事は無駄が無い行動とも言えます。
- 自分の行動に無駄が無いという事はチームに与える影響も大きく、そのチームの作業効率の向上が見込まれます。ナース1人の立ち回りで大きく職場への環境も変えるほどの影響力を与える事もあるかもしれないのです。一度振り返ってご自身の立ち回り方を見直すと自身の成長に繋がるかもしれません。