No.304 ナースってどんなキャラ?世間でのイメージと現実のギャップ
漫画やアニメ、TVドラマや映画でもシリーズ化されて描かれるナースの物語。そこに登場するキャラはよく似た特徴があり、世間一般的なイメージとして描かれています。その特徴と実際の医療現場でのギャップや歴史について紹介します。
白衣の天使
1915年、正式に看護婦と呼ばれるようになった当時は、女性限定の職業でした。献身的に看護する姿から白衣の天使と称されました。しかし、現実は過酷で「危険・きつい・汚い」の3Kと言われ、天使のイメージを覆すものでした。
1968年に保健婦助産婦看護婦法が改正されたことで、徐々に増加していた男性は看護士と呼ばれるようになりました。1990年代、日本医療労働組合連合会によって、ナースの仕事は9Kであるとの声が上がり世間でも話題になりました。
給料が安い・規則が厳しい・休暇が取れない・化粧が乗らない・婚期が遅い・薬に頼って生きているの6Kを加えた9Kは、1992年の流行語大賞表現部門で銀賞になりました。2001年の法改正で男女とも「看護師」と呼ぶことが決まり、現在では多くの男性看護師が存在します。
ドジっこ前向きキャラ
アニメやドラマで描かれるナースは、比較的若く経験が浅くて、よく失敗をします。先輩にいじめられたり医師と意見がぶつかったり、色々な困難を乗り越えながら患者さんの命と向き合って成長していく物語が描かれています。
ドラマでは、実際の医療現場では絶対に出来ないミスが起こるので、「こんなナースは居ないよー」と言いたい人も多くいると思います。中には厳しい先輩もいますが、患者さんの事を第一にして指導してくれるものです。
医者とナースの衝突は現実世界にもあり、約9割の看護師が意見の相違で衝突した経験があると答えています。特に多い衝突の理由は、治療方針と患者やそのご家族とのコミュニケーションに関する事。患者の想いを医師に代弁しようと衝突する事例が多いようです。
ナースが抱える悩み
前述の9Kは過去だけのものではなく、現代社会ではさらに厳しいと言えるでしょう。給料は安くないものの、労力に見合わないほどの心身ともにストレスのかかる重労働であること。慢性的な人材不足から思うように休暇が取れず、自分の余暇の時間がないこと。
規則が厳しく流行の髪形が制限され、日々のストレスによる肌荒れに悩むのは、化粧が乗らないと嘆く女性だけでは無いはず。婚期が遅く独身生活で偏食して薬やサプリに頼るのは、もはや社会問題とも言えるでしょう。
しかし、現代の看護師の仕事を表す3Kは、新しく解釈されています。たとえば「感謝・感動・貢献」のように看護師という職業の魅力を表したものや、「感謝・関心・共有」のようにポジティブな働き方を表すものです。
- ■まとめ
- ナースの一般的イメージは、献身的な人気者キャラとして描かれています。しかし、現実とイメージのギャップに悩むナースは少なくありません。誇り高いナースの仕事を続けるためにも、職場選びは大切です。悩み解決策として転職もおすすめします。