No.389 ナースがよく使う用語の一覧
看護師は日々の業務で、専門用語や略語を用いて効率的にコミュニケーションを図っています。これらの用語は、患者ケアや診療の連携、医療チーム内での情報伝達を円滑に進めるために欠かせません。本記事では、ナースがよく使う用語を分かりやすく解説し、医療現場での理解を深める手助けとなる内容をご紹介します。
バイタルサインに関する用語
バイタルサインとは、患者の生命兆候を示す基本的な指標で、看護師が患者の状態を把握する際に欠かせないデータです。例えば、BPは血圧を意味し、成人の正常範囲である「BP 120/80」などと記録されます。また、HRは心拍数、RRは呼吸数を指し、これらの数値は患者の健康状態を迅速に把握するための重要な指標となります。さらに、SpO₂(血中酸素飽和度)は、患者の呼吸状態を示すデータとしてよく用いられ、通常は95%以上が正常とされています。
治療や処置で使われる略語
治療や処置の現場では、指示の効率性を重視した略語が頻繁に使われます。例えば、IVは静脈内注射や点滴を指し、IMは筋肉注射を意味します。また、PRNは「必要に応じて」という意味で、鎮痛薬や不眠時の睡眠薬の投与指示に使用されることが多いです。手術や検査の前に用いられるNPOは「絶飲食」を指し、手術直前に患者へ指示されます。緊急の処置ではSTATが使用されることが多く、この言葉が指示される場面では即時対応が求められます。
患者ケアに関連する用語
患者ケアにおいては、看護師が日常的に使用する用語が多数存在します。例えば、ADLは患者の自立度を示す日常生活動作を評価する基準として用いられます。特に長期入院やリハビリテーションが必要な患者の場合、ADL評価は重要な指標となります。また、床ずれを指す「褥瘡」という用語は、寝たきりの患者の皮膚トラブルに関連して頻繁に耳にします。その他、患者から看護師を呼び出すための「ナースコール」や、緊急度に応じた対応を行う「トリアージ」も、看護業務では欠かせない言葉です。
病棟業務で使われる用語
病棟では、チーム連携や業務効率を高めるための用語が多用されます。看護師の業務拠点である「ナースステーション」や、医師を呼び出す「ドクターコール」は日常的に使われる言葉です。また、患者やその家族に治療方針を説明する「インフォームドコンセント」も、患者との信頼関係を築くうえで非常に重要です。
医療現場独自の俗語や特有の言い回し
医療現場では、公式な用語だけでなく、俗語や略称も日常的に使われています。例えば、血中酸素飽和度を指す「サチュレーション」や、医師が患者に病状を説明する行為を意味する「ムンテラ」という言葉は、医療関係者の間で広く知られています。