No.91 看護師は虫歯になりやすい!? 虫歯予防で心がけたい習慣
虫歯は万病のもとと言われていることをご存知でしょうか。虫歯になると、歯に穴が開き、そこから口の中の菌が血管に入り込み全身に回ってしまうケースがあるのです。虫歯が一因となって糖尿病や動脈硬化、早産などに繋がってしまうのではないかという研究結果も示されているほどなのです。
実は、看護師は虫歯になりやすい職業のひとつと言われています。その原因と虫歯予防で気を付けたいことをご紹介します。
虫歯が発生する原因
はじめに、虫歯の発生するメカニズムについての解説です。
口の中の虫歯菌が食べカスなどに含まれる糖を餌にして、酸をつくりだします。その酸によって口の中のph値が酸性に傾き、歯が次第に溶かされていきます。これが歯の「脱灰」です。唾液の作用によって、口の中のph値は時間の経過とともに中性に戻り、歯が次第に修復していきます。それを歯の「再石灰化」と言います。
人間の歯では、食事のたびに脱灰と再石灰化が繰り返されています。脱灰が進んで再石灰化が間に合わなくなると、修復しきれなかった部分に穴が開いてしまうことがあり、そこから虫歯になってしまうと見られているのです。
看護師が虫歯になりやすい理由
なぜ看護師が虫歯になりやすい職業のひとつと言われるのでしょうか。
その理由のひとつは仕事のストレスが多く、嗜好品の摂取が多い傾向があることです。
菓子や清涼飲料水などには虫歯菌の餌となる糖分が多く含まれています。また、嗜好品のひとつであるタバコは、口の中を中性に戻す作用のある唾液の分泌量を低下させます。そのため、再石灰化しにくくなるのです。
もうひとつの理由としてあげられるのが、不規則な生活です。看護師は夜勤などもあり、不規則な生活になりやすい傾向にあります。不規則な生活で間食が増えると、口の中が酸性になっている時間が長くなり、脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、虫歯を発生させる原因になります。
虫歯にならないために心がけたい習慣
では虫歯にならないためにどのようなことを心がけると良いのでしょうか。
まず、歯を清潔にすることはとても大切です。食事の後はすぐに歯を磨くと良いでしょう。
フッ素は虫歯菌を抑制し再石灰化を手助けして、さらに歯質の強化もしてくれるため、フッ素配合の歯磨き粉を使用するとより効果的です。
特に歯間にも汚れが溜まりやすくなっているため、一日に一回は歯間ブラシなどを併用することをおすすめします。忙しくて毎食後歯磨きをできないときは、うがいやガムを噛むだけでも何もしないより効果的です。
また、間食はできるだけ控えるようにしましょう。間食するたびに口の中が酸性になり、歯の脱灰が進んでしまいます。糖分の含まれている清涼飲料水などは、時間を置かずだらだら摂取してしまう傾向にあります。間食はできるだけ回数を減らして、間食した場合はその都度歯磨きやうがいをすると良いでしょう。
一度虫歯になってしまうと、削るなどの処置をしなければならず、元の健康な歯に戻ることはありません。虫歯にならないように日々の心がけが大切です。