No.241 ナースが使う用語を理解しよう!
現場でよく専門用語を使用している場面をよく見かけることでしょう。ひとつの業界にはその世界を表現する言葉があり、その言葉のことを「専門用語」と言います。ナースの世界で使われている「専門用語」を通して、看護の世界を見てみましょう。いくつかの場面を想定してその用語例を紹介します。
ナースと医療用語
ナースの使う医療用語は正式な略語から俗称もあり、看護用語だけでなく、検査時の略語と覚える用語がたくさんあります。疾患の略語だけでなく、内視鏡やエコーなどの結果を読み取るときに使う略語などは、看護を進めていく上で知っておかなければ仕事に支障をきたすことも考えられます。
新人ナースの方は、配属された現場で活躍するために、まずは医療用語から覚えるように取り組んでいきましょう。
医療現場の用語
医療現場で使われる用語を見ていきましょう。
- ◎エクモ
- 現在、新型コロナの感染者が日に日に増加しています。症状が軽度、中度、重度の場合とそれぞれ対応処置は変化していくのですが、より重症に近い中度や重症化の際にエクモという言葉が頻繁に出てくることがあります。
ECMO(エクモ)とは、Extracorporeal Membranous Oxygenationの略のことで、人工肺とポンプを使った体外式腹膜型人工肺のことを言い、重症の呼吸不全または循環不全の患者に対して使用される生命維持装置です。
重症な呼吸不全患者に使用される場合はrespiratory ECMO、心肺蘇生時に使用される場合はExtracorporeal cardiopulmonary resuscitation(ECPR)、重症な循環不全患者に使用される際はcardiac ECMOと呼ばれています。エクモは、上記の患者に対する療法で反応しない患者に対して循環の補助、呼吸の補助、肺の安静化を図る目的で導入されています。 - ◎VT
- 心室期外収縮が連続して起こっている状態のことをVTと言います。そのまま放置すると死に至ることもある不整脈です。VTは弁膜症・心筋症・狭心症・CT延長症候群などの心疾患があると発症しやすくなりますが、心疾患がなく健康な心臓の人でも発症します。心室頻拍(Ventricular Tachycardia)の略語をVTと呼びます。
- VTの急性期の治療は2つあります。
- ○カウンターショック(無脈性は除細動、脈ありVTはカルディオバージョン)
○薬剤投与(リドカイン・アミダロン・ニフェカラント) - 長期的治療になると、VTによる突然死を発生させないという観点で治療がなされます。
- ○薬物治療
○カテーテルアブレーション
○植え込み型除細動器
医療看護の現場の用語
- ◎ICF
- WHOで採択された生活機能と障害の分類方法をICFと言います。簡単に言うと、このICFは全人的な視点で誰もが共通認識を持って、対象の方(患者・障がい者等)の状態を捉えるためのものです。ICFは(International Classification of Functioning, Disability and Health)の略で、国際生活機能分類と呼ばれます。ICFは6つの要素から構成されています。
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- 健康状態
- 心身機能/身体構造
- 活動
- 参加
- 環境因子
- 個人因子
訪問医療の現場の用語
- ◎CPAP
- 睡眠時無呼吸症候群の治療の使用される機器のことで、気管内挿管をしないで気道に圧をかけることができ、肺に空気を送ります。家庭でCPAPを使用する際は患者に使用方法や注意点を指導出来るように正しい知識を身に着けておきましょう。CPAP(シーパップ)とは、Continuous Positive Airway Pressureを略した用語です。
- ◎退院支援・退院調整
- 【退院支援】
患者が自宅に帰った後も必要とする医療を受けながら治療を継続していけるように訪問看護や介護などのサービス提案や治療費の試算などを行うことを退院調整と言い、地域医療と病院を繋いで調整を行うことです。 - 【退院調整】
患者が自宅に帰った後も必要とする医療を受けながら治療を継続していけるように訪問看護や介護などのサービス提案や治療費の試算などを行うことを退院調整と言い、地域医療と病院を繋いで調整を行うことです。
- ■まとめ
- ナースの用語を医療現場や医療看護、または訪問医療の数々の場面で使用される用語をご紹介しました。用語はその世界を表現した言葉です。用語を全体的に理解して、医療世界の理解を深めることが大切です。