No.278 医療現場におけるナース(看護師)の専門用語
専門職の場合、どこの職場でもよく使われる言葉に「専門用語」と呼ばれるものがあります。ナースの世界では特に医療用語など、関係者でなければ意味不明な言葉と言うものがあります。今回はこの専門用語について少し見てまいりましょう。
専門用語とは
専門用語と対比する、私たちが日常で使う言葉は日常生活用語と呼ばれています。これは普段私たちが何気なく使っている言葉です。殆どの人に、わざわざ意味を説明しなくても通用する言葉がこれにあたります。
対して専門用語とは、ある特定の分野や所属する組織の中だけで、通用したり理解されたりする言葉がこれにあたります。その専門分野の人でなければ、なかなかその意味を理解できない言葉が専門用語と呼ばれるものです。
しかし、同じ分野の人同士の会話では、この専門用語は意味のある言葉だと言えます。ひとつの単語をとっても、その言葉以外に、日常生活用語に置き換える事が出来ない単語などが存在しているからです。
専門用語は、最近新たに生まれたものではなく、その分野では昔から使われてきたものです、それは大工の世界など古くからある職業では当時から専門用語は存在していました。また知らないうちに、専門用語が日常生活用語となったものなどもあるようです。
「オペ」などという言葉は、何も医療関係者でなくとも「手術」のことなのだと理解できる人は一般人でも多いのではないでしょうか。これはテレビなどのドラマでよく見聞きする言葉だからかもしれません。
このように専門用語は意外にも、私たちの日常生活の中に入ってきているのが現状です。しかし、まだ特に医療関係者の使う専門用語は理解不能というより、それまで聞いたことのないワードがあるのも事実です。
ナースの使う専門用語
看護業界では特に専門用語が頻繁に使われます。少し列挙致しますと、曖気・IM・アイソレーション・ICU・明け・アストマなどなど幾らでも出てきます。このような言葉は私達一般人にはほとんど意味が分かりません。
ジャーゴン(内輪で意味の通じる言葉)を効果的に使う事は、端的に仲間内では意思の疎通がしやすいし、ある意味での仲間意識が強まるといった効果があるのは事実でしょう。これは専門用語の利点と言える面です。
しかし、ジャーゴンの使い方を一つ間違えると、怪しい人と思われがちです。使う相手によれば一切意味が通じない事になってしまいます。これでは本末転倒、使い方を相手によってきちんと理解して使い分けなければならない事を理解しましょう。
- ■まとめ
- 専門用語はその分野において、使えないと仕事に支障が出る事もありますが、使い方を間違えると、またちがった意味での支障が生じます。専門用語はナースの世界では医師との会話やナース同士の会話では不可欠です。
- しかしながら、患者との会話や、日常生活での使用はやはり極力抑えたほうが、円滑なコミュニケーションが取れる事は間違いありません。専門用語は、多用しすぎると信頼を失いかねない側面もあるという事ではないでしょうか。