No.384 安心と効率を両立するためのナースコールの選び方
病院や介護施設での患者・利用者とスタッフとのコミュニケーションは、ナースコールシステムを通じて行われることが多く、特に高齢者や身体が不自由な方にとっては命を守る重要なツールです。そのため、適切なナースコールシステムを選ぶことは、施設運営にとって非常に大切な要素となります。今回は、ナースコールの選び方について、具体的なポイントを踏まえながら解説します。
操作の簡便さとユーザビリティ
ナースコールシステムは、患者や利用者が自ら操作することが多いことから、操作が簡単で直感的に使えることが求められます。高齢者や身体の不自由な方でも、容易に操作できるよう、ボタンのサイズが大きく、見やすいデザインが推奨されます。また、操作した際の反応が迅速であることも大切です。コール後に視覚的・音声的なフィードバックがあると安心感を持てます。加えて、病院や介護施設内での音の大きさが考慮されるべきです。アラーム音が小さすぎると看護師や介護スタッフが聞き逃す可能性もあります。そのため、音量調整ができるタイプや、音と光の両方で知らせるシステムが理想的です。
コストと導入後のメンテナンス
ナースコールシステムの導入には、初期費用や運用コストを含めた予算が重要な要素です。施設の規模や予算に応じたシステムを選ぶ際、単に導入費用だけでなく、メンテナンス費用も考慮すべきです。長期的に見て、システムが故障しにくく、メンテナンスが容易であることは、スタッフの負担を減らすだけでなく、患者や利用者の安全性を確保する上でも重要です。導入前に、どのようなメンテナンスサポートが含まれているかを確認しておくと安心です。
拡張性と将来のニーズへの対応
病院や介護施設の規模やニーズは時間とともに変わることがあります。将来的に施設を拡大したり、新たなフロアや居室が追加される可能性がある場合、拡張性のあるナースコールシステムを選ぶことが大切です。追加の端末やモジュールを後から簡単に導入できるシステムを選ぶことで、将来のコストや運用の負担を軽減することができます。
また、技術の進化に対応したアップグレードが容易に行えるシステムも重要です。例えば、将来的にAIを活用した患者の状態監視機能や、スマートデバイスと連携したシステムが導入されることが考えられます。これに対応できるシステムを選ぶことで、長期的な運用を見据えた選択が可能になります。
セキュリティと信頼性
ナースコールシステムは、患者や利用者の安全を守るために欠かせないものであり、システムの信頼性とセキュリティは何よりも重要です。信号の遅延や誤作動が起きないかどうか、また、緊急時に適切な対応が行えるかを確認することは、システム選定における最優先事項です。セキュリティ面でも、外部からの不正アクセスやデータ漏洩が起きないように、厳重なセキュリティ対策が講じられていることを確認することが重要です。メーカーの実績や導入事例、評判などを調べ、信頼のおけるシステムを選ぶことが、施設全体の安全性向上に繋がります。