No.40 何度も呼ばれてしまう! 繰り返しのナースコールに困ったら?
ナースコールの存在は重要で、必要不可欠なものです。
それは疑いの余地はありませんが、度の過ぎたナースコールに困らされたことはありませんか?
昼間ばかりではなく、手の少ない夜間に鳴り続けるナースコールに呼ばれてみたら、「なんとなく鳴らした」などと言われてしまうと、つい苛立ってしまうこともあるのではないでしょうか。
そんなときはどうしたらいいのでしょうか。
ここでは、看護師の精神的負担を軽くする対応のコツをご紹介します。
考えられる対処方法
「ナースコールが押される前に、しつこいぐらいにこちらから声を掛けてみる」というのはいかがでしょうか?
部屋の前を通るとき、ちょっとしたついでに「何かないですか?」「大丈夫ですか?」などとしつこく声を掛けてみるのもひとつの対策となります。
患者さんが頻繁にナースコールを押す理由は、体調の不安ではなく、精神の不安からだということもあります。
ひとは怪我や病気などで弱ると「寂しいから構って欲しい」という子供じみた行動を取ることも多々あります。
「そこまでは面倒をみきれない」という部分は勿論あるかとは思います。
ですが、患者さんがナースコールを執拗に押す場合は、その理由を探ってみることには意味があるでしょう。
また、そうした患者さんの場合には、書類仕事などの場所をあまり取らない仕事を患者さんの近くでやる(患者さんの目の届くところにいる)というだけでもナースコールの回数が減ることもあります。
最終手段として
これは周囲や上長、患者さんのご家族などとも相談の上、慎重に選択しなくてはならない方法ですが、あまりにも高頻度で緊急性のないコールを繰り返す患者さんがいる場合は、ナースコールを患者さんの手元から少し離れた場所に置くなどという方法もあります。
もちろんこの方法は、患者さんの症状が安定していることが大前提です。
勿論その場合、患者さんの「ナースコールに手が届きにくい」という認識と、看護師の徹底した注意が必要になります。
その上でもやはり、緊急性の低いナースコールに振り回されて、重篤な問題を抱えた患者さんからのコールに対応することが遅れる方が、重要な問題です。
割り切るのもひとつの方法
看護師は神さまでも超人でもありません。職種が医療関係であるというだけのごく普通の会社員です。
当然ながら出来ることには限界があります。
これは自身では解っているものですが、そのことを患者さんにも解って頂く必要があります。
無理なときには無理だと伝え「出来るはずだ」「出来るべきだ」で抱え込まないこと、押し付けられたまま受け入れないことが大切です。
少ない人数で複数の患者さんの対応をしなくてはならないのですから、すべての患者さんに完全に気持ちよくなって貰うことは出来ない、と割り切ることも必要でしょう。
「出来る限りは柔軟な思想と態度で対応し、他の業務の妨げになってしまうようなクレームや度が過ぎた要望には毅然とした態度で臨んでみる」という気持ちを持って対応するようにしましょう。