No.403 ナースのシフトから考える、自分らしく働くための転職の選択

看護師として働くうえで、避けて通れないのがシフト勤務の問題です。三交代制や二交代制、夜勤専従や日勤常勤など、働く場所や職場によってそのスタイルはさまざま。ライフスタイルや年齢、体力、家庭との両立といった要因によって、「このままの働き方でいいのだろうか」と悩むナースも少なくありません。本記事では、シフトパターンの特徴を踏まえた上で、転職を考える際の視点や、理想の働き方に近づくためのヒントを詳しく解説していきます。
今のシフトパターンが抱える課題を見つめ直す

病棟勤務に多い三交代制は、勤務時間が短くなるというメリットがある一方で、生活リズムの維持が難しいという大きなデメリットを抱えています。特に準夜勤から深夜勤への連続勤務は、帰宅と出勤の間に十分な休息を取ることが難しく、慢性的な疲労や体調不良につながりやすくなります。
また、夜勤を含む二交代制は、夜勤が長時間である分、日中にまとまった休みを取りやすいという特徴がありますが、1回あたりの勤務負担が大きく、年齢を重ねるごとに無理が効かなくなるケースも多く見られます。
自分の体力や精神的なストレスの感じ方を振り返りながら、「今の働き方が本当に自分に合っているのか?」という問いかけを持つことが、転職を考えるうえでの大切な出発点になります。
生活環境の変化とともに働き方も見直す

結婚、出産、子育て、介護など、ライフステージが変わることで、これまでのような夜勤や不規則なシフトが難しくなることは少なくありません。「子どもとの時間をもっと持ちたい」「親の介護で夜勤ができなくなった」など、私生活の変化によって転職を検討するナースも多くいます。
たとえば、保育園や学校の送迎を考慮する必要がある場合、日勤常勤の職場や時短勤務が可能な職場への転職を視野に入れることが現実的な選択肢となります。病院以外にも、訪問看護ステーションや健診センター、保育園看護師、企業看護師といった日勤中心の職種にシフトすることで、家庭と仕事のバランスを取りやすくなるケースも増えています。
“やりがい”と“働きやすさ”の両立を考える
看護の仕事に対して「患者さんと関わるやりがいを大切にしたい」という想いがある一方で、「身体がもう限界」「心がついていかない」と感じるようになると、どこかで折り合いをつける必要が出てきます。
重要なのは、働きやすさ=やりがいの放棄ではないということです。今の職場が合わないからといって看護師を辞めるのではなく、「どんな環境なら自分らしく働けるか」を見つけるための転職であれば、それは前向きなステップです。
たとえば、クリニックや外来勤務では、急性期病棟のような緊張感は少ない代わりに、患者さんとの継続的な関係性が生まれやすく、丁寧なケアができるというメリットがあります。やりがいの種類は環境によって変化するため、自分の価値観や看護観を再確認することが、新しい職場選びの指針になります。
求人情報を読み解く力を身につける
転職を考える際は、求人情報の中に隠れている“働き方のリアル”を見極める目を持つことが重要です。シフトの種類、夜勤回数、残業時間、休暇制度、スタッフの構成や雰囲気など、自分にとって譲れない条件を明確にした上で比較検討することが求められます。
特に「夜勤あり」「交代制勤務」と書かれている場合は、実際のシフトパターンがどうなっているのか、面接や見学の際にしっかり確認することが必要です。シフトの柔軟性がある職場か、希望休が通りやすいか、有給消化率は高いかといった点もチェックポイントです。
また、SNSや口コミサイト、知人からの紹介を通じて、実際にその職場で働いた経験がある人の声を参考にすることも、情報収集として非常に有効です。