No.195 ナース・看護師の勤務時間 〜シフトとの意外な関係〜
看護師は昔「ナース」と呼ばれていたことがあり、女性の仕事という印象が強く感じられる職業でした。しかし、最近では男性も進出したため今のような呼び名に改めました。
今回の話は勤務時間と交代制についてですが、看護師に限らず不規則な勤務時間は一部の職種では変わりません。
基本的な勤務について
交代制となっていますが、夜勤のほか深夜勤というのがあり「2交代制」または「3交代制」という構成です。夜勤担当の補助的存在の早朝出勤や午後出勤をする看護師さんも存在するため、このシフトの線引きについては必ずしも全ての病院ではなく、ごく一部の病院にて設定されているようです。
これらの背景には、夜勤担当の精神的負担をすることが目的とされているようで、夜遅くから未明の勤務時間の体力的にも消耗しやすい時間帯において、補助的存在はありがたいものです。
診療報酬見直しの結果・・・
看護師さんの勤務体制は2〜3交代制での仕事で、特に夜遅くの仕事については女性にとって荷が重いものとされています。このまま続いてしまうと人手不足はもとより過酷な勤務体制において、女性の体力面を考慮した場合でも限界に近づいてしまうのは火を見るよりも明らかなのです。
そこで、看護師の勤務体制を保証するための規定、いわゆる72時間ルールが制定されました。「夜勤そのものを、一か月あたり72時間以内にせよ」という勤務体制を実行することが義務付けられ、これを破ると病院に支払われる報酬(入院基本料)そのものが減額されてしまうということですので、病院側としては人的確保も並行しながら守り続けてきたわけです。
◎72時間ルールの概要
夜勤及び深夜勤の負担を軽減し、看護師そのものを救済するための規定ですが、その実態は一か月につき16時間未満の看護師は適用外の制度でしたので、現場側では公平性が保たれず、なかには子育てや介護中の方もいることから16時間未満に該当するという意味では不公平ではないか、というのが現状でした。
2016年からは規定そのものの見直しがかけられ、一か月につき8時間未満の看護師は含まれないことに緩和されました。
◎今後はどうなるのか
前述した72時間ルールそのものは看護師全体における平均時間であるため、一人一人の勤務時間まで上限を定めきれてないのが現実で、結果的には一部の看護師に夜勤時間増大のしわ寄せとなっています。
担当職員を増やしつつも勤務時間に偏りをなくすよう慎重にシフトを組むことや、労務環境を改良して、一人一人が働きやすい環境を作ることも重要です。しかし、これらのことを実際に行うとしても72時間ルールを守り続けるのは、難しい問題であるというのが医療関係者の共通認識です。
- ■まとめ
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看護師の勤務時間について紹介しましたが、夜勤の場合は72時間ルールそのものが数年前に改訂されました。しかし、現在でも問題は山積していて、個々のシフトに偏りをなくす意味でも、全て解決したくてもまだまだ時間はかかりそうで、難しい話と言えるでしょう。