No.198 ナースの残業事情と残業を減らすための改善策について
看護師業界において、残業は当たり前のように行われています。診療科ごとの残業であったり、仕事を始める前の準備、あるいは研修などのスキルアップのための残業など、実際の勤務以外でも勤務に時間を費やし、ストレスを感じている方も多いようです。この記事では、病院に勤務しているナースの残業事情や、対策について見ていきたいと思います。
病院内で残業の多い診療科と少ない診療科とは?
それではまず、診療科目ごとで、残業が多いと言われている科目を見ていきましょう。
◎残業が多い診療科目
ICU・CCU・SCU(集中治療部)勤務のナースをはじめ、救急外来や急性期病棟勤務、脳神経外科や循環器科勤務のナースは、救急の患者さんや急変の患者さんへの緊急対応などで、勤務上の残業が増えてしまう傾向にあるようです。
◎逆に残業が少ない診療科目には、耳鼻科・皮膚科・泌尿器科・精神科などが挙げられます。これらの診療科目は、比較的急激な病状の変化の少ない患者さんの医療的ケアに携わるため、勤務上の残業は少ないと言われています。
それ以外の残業の原因
これは、病院の体制に関わることかと思いますが、慢性的な人員不足が原因で残業が増えてしまうケースもあります。さらに看護職のスキルアップを目指した研修会や、病院内の情報を共有するため、良い体制へ進めていくためのミーティング、始業前の準備などの残業が挙げられます。
残業が重なることによる影響
これらの過度な残業により起こる影響には、残業により倦怠感が取れなかったり、そのため業務上のミスが増えてしまう。さらにメンタルが落ち込んでしまったり、離職率も高くなり求人を出しても人が集まらないなど、悪循環により個人だけでなく病院自体にも影響が出てしまう状況があります。
これら残業の解決に向けた対策とは?
ナースの残業を減らすための対策は、自己努力と職場の業務改善が必要となりますが、ここでは職場側の改善について見てみましょう。
◎時差出勤を取り入れる
多くの医療機関で取り入れられている「2交代制」「3交代制」をさらに細分化して、早番・中番・遅番など出勤時間をずらして、出勤しやすい体制を作る。
◎記録とチェックを効率化していく
「電子カルテ」「看護計画」「看護記録」など、業務を効率化するためのツールを積極的に取り入れ、業務を簡素化し残業を減らす体制作りをしていく。
◎残業申請をきちんと行う
残業申請が出しにくい体制ではなく、残業が必要な状況かをきちんと判断し、残業申請を出していく体制作り。申請を受けた管理側は、業務進捗を把握していく体制を整えていく。
これらの連携した体制作りが、残業を根本から減らす体制へと繋がり、業務が改善され働きやすい環境が作られていくことでしょう。
- ■まとめ
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今回は、激務と言われるナースの残業事情と職場体制の改善策について見てきました。 いつでも笑顔で、働きがいのある医療現場の体制作りが、さらに広がっていくことを期待します。