No.202 ナースが抱える悩み 〜看護師の感染症のリスク〜
現在、新型コロナウィルスの影響で多くの感染者が出ています。その中には医療スタッフの感染も確認されています。そんな不安の中、最前線で感染症と対峙する看護師の方にとって、今回の新型コロナの流行は悩みの1つとなっています。
医療従事者のリスク
通常、医師や看護師らは一日に何度もマスクを交換しますが、今回の新型コロナの世界的流行によってマスクや消毒液などが不足しました。ある病院では、使用できるマスクが週に1枚という制限があり、衛生上の問題を抱えることとなりました。
その他にも、ゴーグルや防護用ガウンなども不足し、医療関係者の感染が後を絶たない状況が続いています。
〇患者の急増
現在新型コロナの感染が日本国内でも次々と発生しており、感染者が病院などを受診したり入院する可能性が高まっています。それによって、同じ病室の患者さんや対応する医師や看護師に感染のリスクが高まっているのです。
〇院内感染
各地でマスクや消毒液などが不足しているなか、院内感染による医療従事者の感染が報告されています。海外では感染拡大によって患者が爆発的に急増、医療機関のキャパがオーバーし医療崩壊を起こす事態に発展したケースも・・・。
感染症リスクの悩み
今回の感染症は現時点で有効性が証明された治療法がなく、まだ拡大する傾向にあると言われています。自分や家族への感染リスクに不安を抱えながらお仕事を続けている看護師にとって、心の葛藤や悩みは尽きないことでしょう。
今できること
発熱のある患者さんに対応する際には、常時マスクを着用し消毒などを徹底しましょう。
「擦式アルコール⼿指消毒薬」は新型コロナウイルスの消毒にも有効と言われています。
マスクは隙間などができないように、適切な着用を心がけましょう。
感染が確認された場合には、他者と接触しないように場所を確保して診断します。対応するスタッフは施設の基準に応じて個⼈防護具を適切に着⽤してください。聴診器や⾎圧計・体温計等の器材は抗ウイルス作⽤のあるアルコールなどで清拭消毒を⾏います。
ウイルスは気道分泌物だけでなく、糞便からも分離されます。そのため、感染者が使⽤したトイレの便座なども消毒するようにしましょう。 定期的な換気も重要です。
〇個人でできること
健康状態のモニタリング1日2回以上の体温測定や咽頭痛・咳・呼吸苦などの呼吸器症状があるかどうか確認しましょう。
曝露カテゴリー【高 もしくは 中リスク】
高濃度の呼吸器分泌物や心肺蘇生・挿管・ 抜管・気管支鏡・ネブライザー治療・喀痰誘導等のエアロゾルを作り出す可能性がある処置を行ったり、処置をしていた部屋に滞在した医療スタッフは、積極的モニタリングを行う必要があります。
- ■まとめ
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感染対策上の観点から最後の曝露の後、 14日間は業務から外れるなど就業制限等を含めた対応を優先する必要があります。毎日の自己モニタリングや勤め先と連絡を取り合っていきましょう。医療現場を支えている医師や看護師をはじめ、関係者の皆さまに感謝申し上げます。