No.257 ナースの働きにおける役職とは何か
ナースの現状は、仕事がハードで責任が重いことや慢性的な人手不足の傾向にあります。しかし、病院はナースの働きなくして動きません。医師と共にナースの働きで医療行為は進みます。今回ナースの社会にある役職について述べたいと思います。
ナースにおける役職とは
役職とは、管理職と言い換えても差し支えありません。役職には、まず「看護主任」「看護師長及び副看護師長」「看護部長及び副看護部長」があり、大きな医療施設であればこれらの管理者がいます。
この立場になると、働きの対象が患者からナースを含む医療関係者になり、また「看護主任」から「看護師長」、そしてナースキャリアの頂点とも言える看護部長と昇格します。上になるにつれ業務の重要性や働きが増えていきます。
経営という点からも重要な人材であるため、大きく昇給します。役職への昇進を1つの目標にしている方は、それぞれの役職の役割を明確に捉えておきましょう。
役職が必要である理由
役職がなぜ必要なのかについて理解しましょう。医療施設だけでなく一般の企業社会でも管理者はおります。大型医療施設で看護師は1,000人以上になり、病院長1人で1,000人を統率することは不可能です。
そこで医療組織全体がきちんと機能できるよう看護部などや病棟を敷いて、看護主任や看護師長がスタッフナースを統率し、看護部長が各看護師長を取り仕切るというように、数十人単位の人材をまとめる管理者を置いています。それぞれの役職は職場の環境改善、人材の育成・指導、業務の企画・管理などを行います。
その他、上下間でスムーズに情報共有をしたりする橋渡し的な役割を持っています。就業人数が多い程、各役職の重要性が増します。
各役職の役割について
- 〇看護部長
- 看護部の責任を担う者として、それぞれの病棟の看護師長やスタッフナースの全職員をまとめ、病院の経営者のひとりとして経営に参画します。この立場の役割は主にマネジメント業務になります。「施設運営への働き」「各業務の計画や計画書の作成」「運営側と雇用者側の調整」など総合的にマネジメントします。
- 〇看護師長
- この立場の方は、スタッフナースを統率する役目となります。主任看護師と共に仕事の円滑化や質の向上に努めます。病院規模が小さい所では、役職に看護主任がおらず、スタッフナースが看護師長となるケースもあります。
看護師長はスタッフナースだけでなく、病院の運営に関しても考えることが求められます。そのため看護主任より高いレベルでのリーダーシップやマネジメント能力、コミュニケーション能力が求められます。
- 〇看護主任
- この立場の方は、スタッフナースの上司にあたる管理職で、院内の働きが円滑に動くように看護師長を手助けすることが主な業務となります。全体の管理やスタッフナースの教育のほか、看護師長との連携も要するため仕事量は多いと言えます。上司と同じスキルが必要になります。
ナースのキャリアアップ
スタッフナースの方は、各役職に要求されている能力がお分かり頂けたでしょうか。現場のナースの方はその立場で忙しく働いておられることでしょう。その働きのかたわら時間を作ってスキルアップに努めております。
各立場で求められるスキルが違うことを理解して、目の前の患者と向き合いながら、忙しく大変というだけでなくそれ以上にやりがいやナースとしての使命を全うされることを願います。
- ■まとめ
- ナースの社会における役職とは何であるのか、ということをご紹介しました。現在ナース及び医療従事者は、命の最前線で戦っておられると思います。その働きに感謝いたします。