No.259 看護師の活躍と言語におけるナースの由来
現在は看護師という言葉に統一され、表向きは聞く機会が少なくなったナースですが、その由来についてはあまり知られていないというのが一般的です。病院の最前線に立ちながら患者さんたちを助けています。
ナースの言葉として、本来は外来語
ナースと看護師は同じ意味ですが、その語源は本来ラテン語から来たものとされています。
ラテン語は古代ローマ帝国(現在のイタリア)では公用語でしたが、その後イタリア語だけでなくフランス語などのヨーロッパ系の言語へと発展し、現在公用語として使用しているのはバチカン市国(ローマ教皇庁)のみです。
ニュートリキアというラテン語のひとつが、フランス語を経て英語へと加わり、その意味としてはナーチャー(育成する)やヌートゥリシャス(栄養がある)などと同系として解釈され、語源は「母乳をあげる人」としての意味のため、現在で言う医療関係に従事する人として発展するのはまだ先のことです。
病人看護としての目的を持つようになったきっかけ
16世紀の後半からは、ナースという言葉は病人を看護する目的として意味へと変わり、修道院のシスターたちが病気で困っている人たちに対し看護するのがそもそものきっかけとなり、言葉の由来は前述と比べ意味が変化し、それが大きく前進するようになったのは、1人の看護師の登場によるものでした。
フローレンス・ナイチンゲールは1854年にクリミア戦争に看護師として加わり、当時はロシアやトルコなどの周辺の国家による争いが続きました。そのため、兵士たちの多くは負傷しましたが、対応については献身的であり母親のように接したことが、「白衣の天使」として呼ばれるようになりました。
そして、その活躍は世界中へと広まり日本へは明治時代に伝わるとともに、ナースの由来として看護するという意味を持つようになりました。
ある記念日への由来にも
1965年に国際看護師の日が制定され、その意味はナースが社会貢献することでその功績を称えるものであり、日本ではそれとは別に1990年、看護とケア、それに助け合いといった3つの心を育成しながら、医療現場におけるナースの活躍と内容を理解する目的で制定されたのが看護の日です。
いずれも毎年5月12日に制定されたのは、ナイチンゲールの誕生日がこの日に該当し、その功績を大きく称え、今後の看護や医療現場において、ナースがあらゆる場面において活躍し、患者さんに対し献身的な心で接しながら、回復へ向けて接していくことなどを目的としています。
ナースの由来はナイチンゲールの活躍だけでなく、1つの言語までも大きく関わりながら意味も変化していきました。
- ■まとめ
- ナースの由来は外来語であるラテン語が起源であり、フランス語や英語を経て1つの言葉へと歩み、ナイチンゲールの献身的活躍が功を奏し、看護の日や国際看護師の日の制定など様々な意味において影響を与えました。