No.82 看護師に求められるものは? 大学病院と民間病院の違い
看護師が病院に勤務しようと考えたときに、その病院が大学病院なのか民間病院なのかは注目すべき点のひとつでしょう。
大学病院と民間病院では特色が異なり、看護師に求められるものや働き方にも違いが出てきます。
ここでは、看護師の勤務先としての大学病院と民間病院それぞれの傾向の違いをご紹介します。
専門性を高め最新医療が学べる大学病院
大学病院はその名の通り、医科大学や総合大学の医学部や歯学部の附属機関です。
民間病院と同様に患者さんに医療を提供する機関でもありますが、教育や研究をおこなうための機関であるという側面も持っています。
教育機関であるため、研修や勉強会など看護師の教育プログラムも充実しています。
大学病院は働きながら最新の医療知識や専門性の高い内容などを学ぶことができる環境だと言えるでしょう。
また、大学病院には希少な症例をはじめ、さまざまな症例の患者さんが訪れます。
看護師として専門性を高めたい分野がある人にはとても勉強になるはずです。
ある程度の年数を勤めている看護師の場合、新人教育を任され教育者としてのやりがいを感じることもできます。
ただし、大学病院では採血や点滴などといった手技は、研修医が経験を積むためにおこなうのが一般的です。
看護師の仕事は患者さんのお世話が中心となるため、手技のスキルアップはあまり望めないケースが多いです。
幅広い知識と技術が身につく民間病院
診療科や業務内容が細分化されている大学病院と異なり、民間病院勤務の看護師はさまざまな疾患を持つ患者さんに接し、幅広い業務を経験することになります。
結果として身につく医療知識や看護技術も幅広いものとなるでしょう。
民間病院では注射などの手技は基本的に看護師の仕事なのでたくさんの経験をすることができ、技術向上や自信につながるという声が多いです。
実践的な看護技術を身につけ、ジェネラリストを目指したいという人には大学病院よりも民間病院勤務が向いていると言えそうです。
大学病院と民間病院で待遇の違いはある?
大学病院勤務の看護師の給与は、平均以上である場合が多いです。
ただし、先述の通り業務が細分化されていることが多いため、勤務する診療科や働き方などによって給与は変わってきます。
子育て支援など福利厚生に関しても、大学病院は充実している場合が多いです。
民間病院勤務の場合、病院の運営主体や規模、経営状態などによって給与や福利厚生の充実度はかなり違います。
ただし、大学病院の給与が比較的安定しているのに対して、民間病院では経営実績に応じたボーナスが出るため高額のボーナスがもらえることもあります。
看護師の勤務先としての大学病院と民間病院それぞれの傾向の違いについてお伝えしました。
もちろん、大学病院でも国公立か私立かによって事情が異なりますし、民間病院ではさらに病院ごとの違いは大きくなります。
大まかな傾向を把握したうえで、自分に向いている勤務先を選ぶ際の参考にしましょう。