No.83 看護師の手荒れ問題、対策のポイントは?
手荒れしやすい職業と言えば、美容師や飲食店スタッフなどと並んで上位に常にランクインするのが看護師です。
看護師の職業病とも言える手荒れを予防したり改善したりするために、どのような対策やケアをすれば良いのでしょうか?
看護師が心がけたい手荒れ対策のポイントをお伝えします。
勤務中はこまめにハンドクリームを使用
頻繁な手洗いやアルコール消毒は、手肌を乾燥から守ってくれる皮脂も洗い落としてしまいます。
このため、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなったり、ちょっとした刺激でも炎症を起こしやすくなったりしてしまうのです。
とは言え、看護師の仕事をしているかぎり、手洗いや消毒の回数を減らすというわけにはいきません。
そこで欠かせないのがハンドクリームです。ハンドクリームは、皮脂に代わって手肌を保護してくれます。
手洗いするたびにハンドクリームを塗りなおすというのは現実的に難しいかと思いますが、休憩やちょっと余裕ができたときなどに、できるだけこまめに塗りなおすだけで手肌の乾燥を防いで手荒れ対策に役立ってくれるでしょう。
ハンドクリームは自分の肌や手荒れの度合いに適したものを選ぶのが大切ですが、勤務中に使用するものに関しては、業務や患者さんへの影響も考えて、べたつきにくいことや香りが少ない(残らない)ことなどにも注意して選びたいところです。
自宅でのケアは一手間かけて
手荒れが気になるとは言え、勤務中は手荒れ対策やケアにそこまで時間や手間をかけていられないことが多いと思います。
そのぶん、自宅では少し時間や手間をかけて手肌のケアを心がけましょう。
顔のケアと同じように、たっぷりの化粧水で水分を補ってからハンドクリームを塗ることで手肌がふっくらとうるおいます。
選ぶハンドクリームも、勤務中に使用するものより油分は多めでややベタつくぐらいのものがおすすめ。
好みの香りのものを選べばリラックス効果も期待できます。
さらに時間があるときは、化粧水とハンドクリームのケアの前に、乾燥肌に良いとされるはちみつパックを試してみるのも良いでしょう。
就寝前にハンドケアをしたら、綿や絹などやわらかい肌触りの手袋をつけて寝ると、寝ている間に手肌がしっとりとうるおいます。
セルフケアでは改善しないときは……
勤務中や自宅でのケアで、手肌の乾燥や手荒れはある程度防いだり改善したりすることができます。
しかし、慢性的に手肌がひどく乾燥したりひび割れやあかぎれなどが治らない場合は、セルフケアだけで治すのは難しいです。
慢性的な手荒れは、手肌の皮膚常在菌の環境を変化させ、院内感染のリスクを高めます。
手荒れがなかなか改善しない場合は、皮膚科を受診なさることをおすすめします。
症状に合わせた外用薬や保湿剤などを処方してもらいましょう。