No.152 看護師の手、指先ケアの友 ハンドクリームのお話
看護師は手洗いやアルコール消毒を何度も繰り返し、機材の使用でも水やアルコールの使用頻度が多く、常に手袋を使用し手汗で蒸れてしまいがちでもあります。
また夜勤などもあり規則的な生活ができないのが原因で、手荒れで悩む方も多くいると思います。手荒れは手の皮脂が失われてしまうことにつながる、手洗い・水仕事・アルコール消毒が原因となって進行していきます。
ハンドクリームの種類をチェック
乾燥してしまった肌を滑らかにするには、水分、油分、栄養を与えて保湿するハンドクリームがあります。成分によってタイプが分かれていますので、タイプ別に成分を紹介したいと思います。うまく使い分けて手の乾燥を防ぎましょう。
◎保湿系タイプ
【ヒアルロン酸系ハンドクリーム】
1gで水6リットル分を保持できる物質で保水力に優れています。
【グリセリン系ハンドクリーム】
吸湿性が高い物質でヒアルロン酸のように保湿だけを行う成分ではなく、外部から水分を取り込み保湿することができます。
【セラミド系ハンドクリーム】
細胞間脂質で肌や髪の潤いに欠かせない働きをします。もともと肌にある成分です。シアバター・植物性油脂のことで保湿力が高く、全身にもリッチな潤いを与えてくれます。
火傷や筋肉痛に使われたり、紫外線による乾燥から保護します。
保湿に役立つ成分、水分を補給します。
◎尿素系タイプ
尿素が配合されているものをいいます。角質はたんぱく質でできています。尿素は角質のたんぱく質の間に入り込んで、硬く古くなった角質を取り除くことができます。肌を乾燥から守るために水分を逃がさない働きのある尿素が効果的です。
◎ビタミン系タイプ
ビタミン類が配合されているもののことをいいます。
【ビタミンE】毛細血管の血液循環をよくするため血行がよくなります。
【ビタミンB】様々な種類があります。体内の酵素の働きを助けます。
【ビタミンC】抗酸化パワーで酸化を抑制して肌トラブルのもとを軽減してくれます。
【ビタミンA】肌のターンオーバーを促進します。
ハンドクリームを選ぶポイント
◎乾燥によるかさつき、粉っぽさが気になる場合
水分と油分を補給する保湿系ハンドクリーム
◎角質が厚くなり、指先や手の甲がごわごわしている場合
厚くなった角質を柔らかくしてくれる尿素が配合されたハンドクリーム
◎ささくれ・あかぎれ・ひびがありかゆみがある場合
血行をよくするビタミンE配合のハンドクリーム
尚、ハンドクリームを塗る際はマッサージをしながら塗るのがおすすめです。
ハンドクリームのべたつきが嫌な場合
このような方にはシリコーンが配合されているハンドクリーム、パウダーが配合されているハンドクリームをおすすめします。シリコーンとは被膜性を持つ成分であり、水を弾く効果もあるので、さらさらした使用感になります。
シリコーンの中の成分でも被膜の度合いが異なります。ジメチコンやシクロペンタシロキサンなどの成分が配合されています。
(水に強い)
(さらさら)
というように表示されて販売されているハンドクリームには、そういった成分が配合されているので購入前にチェックしてみて下さい!
仕事用では水気を弾くシリコーン、パウダー配合タイプを使用し、自宅用では高保湿、尿素、ビタミン系のタイプで使い分けて使用するのもおすすめです。
手洗いで注意してほしいのは、水の温度です。熱いお湯は手の皮脂膜や角質層の潤い成分まで流してしまうので、手洗いは水かぬるま湯で行って下さい。
- ■まとめ
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ハンドクリームを使用する際はきちんと手洗いと消毒を行い肌に細菌が存在してないか注意する必要もあります。
細菌が付着した状態でハンドクリームを塗ってしまうと、細菌が温存してしまうことになります。手からの感染を防ぐために手洗い、消毒を忘れずに行いましょう。