No.214 ナースの手洗いに対する認識と阻害要因
感染症対策が叫ばれている社会情勢の中で、ナースの手洗いに対する認識は当然の事と思います。単なる手洗いとは言えない状況においては、自分を守る事が患者や周りの人の安全を守っています。今一度、ナースの手洗いに対する認識と阻害要因について確認しましょう。
手洗いに対する認識
医療に従事するナースや関係者は、いろいろな病気と向き合っています。日常の中で、重篤な患者に携わっていない場合でも、どこに感染源が潜んでいるか目で見る事が出来ないので、知らず知らずのうちに、感染源の細菌やウイルスに接触している可能性も否定できないのです。
医療関係者がどんなに徹底的な感染症対策を行っていたとしても、人の出入りが激しい事や、ナース自らが外部との接触によって持ち込む事も否定できません。病院や介護施設では、人の出入りを制限していては、その機能や役割を十分に果たせなくなってしまいます。
手洗いへの認識は、交差感染防止や院内感染、自己防衛や清潔感を保つなどが、単なる手洗いではない事を認識するのです。
以上により「ナースの手洗い」は、細菌やウイルスを持ち込まない事や、感染を広げない為にも重要な役割を担っているのです。ナースや医療関係者が徹底する事により、自らの安全を守り、患者や周りの人を守っている事を忘れてはならないのです。
手洗いの阻害要因
ナースの仕事柄、徹底した注意を払っている事でしょう。しかし完璧に仕事をこなしていても、日常の多忙さや人手不足など、様々な阻害要因を確認できます。
1.日常の業務が多忙である事
通常の業務がこなせないような状況のもとでは、手洗いを意識していても出来ない場合もあります。仕事の優先順位で業務が詰まっている場合などでは、忘れてしまいがちです。そのような状況下では、リーダー格のナースや責任者が意識してチェック体制を行う事が重要です。
2.組織や体制の問題
日頃から統一された習慣とされていなかったり、院内感染と無縁だと思ったりする組織や体制が問題になる場合があります。そのような時は、ナースが自己防衛の意識を高める提案をして統一された感染対策として手洗いを位置付ける事です。
3.設備の問題
手洗い場所が少ない場合は、ブロックごとの設置などを提案して速やかな対応を求めましょう。設置できるまでは消毒液などで代用します。
4.手指消毒剤の使用の不快感
手指消毒剤を使用する事で、不快感があってもナースとしての心構えを朝礼や引き継ぎの時に確認して実施の妨げにならないようにしましょう。
5.冬場の肌荒れや手荒れ
冬場は肌が荒れやすくなり、手洗いする事で痛みを伴う場合があります。よほど痛い場合は、出来るだけ早く治療に専念し肌荒れしないように普段から肌のケアに心がけましょう。
6.感染の疑いのある患者との接触
担当のナース以外では、患者の状態を全体的に把握し注意が必要な場合は、引き継ぎ業務や声がけなどで連絡を徹底します。接触の可能性がある場合の手洗いを徹底する事です。
- ■まとめ
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ナースの仕事が多忙な事は知られた事ですが、手洗いの認識を重要な事としてチェック機能を果たす事で、自己防衛や院内感染を防ぐ事に繋がります。組織での統一も重要な事なので、阻害要因を確認して、手洗いの認識を高める事が重要なのです。