No.220 ナースの夜間業務で安全を確保するライト選び
昼間に比べて、事故の危険性が高まる夜間勤務作業。ナースにとっては気苦労の多い時間帯でしょう。患者さんが寝ている中、様子を伺わなければならないので、ライトは重要なアイテムとなります。では、夜間業務を遂行する上でライトを選ぶ際、どのようなポイントに気を付けて選ぶべきか見ていきましょう。
夜間ラウンドでのライト照射の注意点
夜勤での仕事の中心といえば、患者さんを時間毎に見回る巡視です。昼間とは同じように観察できないのは、消灯後なので暗いことと寝ている患者さんを起こさないよう静かに見回る必要があります。
ライトの明かりは、寝ている患者さんにとって思いのほか眩しいものです。患者さんの顔に光が当たらないようにするには、頭の方から足元に光がいくようライトを照らすと、直接顔に光が当たらないよう観察ができます。
種類別に見るライトの特徴
夜間のラウンドで必要不可欠なライトを種類別に特徴を見ていきましょう。
- ○懐中電灯
- 懐中電灯は、一般的には乾電池を電源とする携帯用の電灯です。豆電球の光を反射鏡、レンズなどでビーム上にしたものが多く、最近ではUSBから充電できる懐中電灯もあり、明るさの強弱を切り替えられるのも特徴です。
大きな光源が必要な場合、大きめの懐中電灯で患者さんの容態を確認するではなく、小型の懐中電灯が良いでしょう。
- ○クリップ付きハンドライト
- 何かと所持品を多く持つナースにとって、ハンドライトにクリップが付いていると便利です。近場(1m)くらいの距離を照らすには、ハンドライトぐらいの明るさが適しているでしょう。ハンドライトのスイッチに関してですが、頻繁にON・OFFされる方は、前玉を回転させてスイッチを入れるタイプは適さないので注意が必要です。
- ○ネックライト
- こちらはネックストラップのように、首にかけて両手が自由に使えるライトです。片手で簡単にスイッチが操作できるので、手元明かりに威力を発揮します。患者さんを起こすことなくケアができ、暗い廊下や階段などの足元を照らすにも活躍します。
- ○ペンライト
- 夜勤だけでなく、医療の現場でよく使われているのがこちらのタイプです。長所は小さくて軽く、スポットで照らすので使い勝手がよく、クリップの凹凸が少ないので、患者さんに対し傷を付けるような恐れがないところです。逆にデメリットとして、電力の消耗が激しく、数回の夜勤で暗くなってしまうこともあります。
- ○有機ELライト
- 新しく開発された有機ELライトは、ストレスを感じにくいとされる明るさで、患者さんの眠りを妨げることなく正しく顔色が見えることが特徴です。巡回向けの電球色と確認向けの白色に切り替えることができ、顔色などの小さな異変を見逃さない照射ができます。クリップを採用することで服に装着できるのも特徴で両手を自由に使うことができます。
- ■まとめ
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夜間の呼吸確認などの際、患者さんにライトを当ててしまうと、患者さんが起きてしまうこともあります。そうならないよう、ライトの当て方にも工夫をすることが重要です。天井に向けてライトを持ったり、ライトを手で覆ったりして、明るさの調節をしましょう。