No.301 気になる!?ナースの残業事情
一般的に、ハードな仕事と言うイメージを持つ人も多いのがナースの仕事ですが、実際のところどうなのでしょうか?今回は、そんなナースの残業事情について詳しくお伝えします。
ナースは残業が多い!?
少し古いデータですが、2013年に取られた統計によると、ナースとして働く人のおよそ9割が時間外労働を行っており、月に時間外労働を20時間以上している人が全体の30.8%もいたそうです。それだけでなく、8.4%の人は30時間以上、1.7%の人はなんと50時間以上も時間外労働をしているという事もわかりました。
また、別の調査では、ナースは日勤で50分以上、2交代勤務、3交代勤務では30分以上の残業が日常的に行われているという結果がでました。これらの統計から、ナースの仕事は一般的なイメージ以上に過酷である事が明らかになっています。
残業が多いのはどの職場?
残業時間が最も多いのは、一般病棟となっています。実に、日勤ナースの58%の人が60分以上の残業をしています。次に残業が多いのは訪問看護で35.9%、次いで手術室で31.5%となっています。
いわゆる”サービス残業”である不払い労働を強いられているナースも全体の68.6%にも上っており、事態は極めて深刻です。不払い労働の業務内容を見てみると、最も多いのが”記録”で、次に多いのが”情報収集”となっており、全体的にデスクワークをするナースに不払い労働が多い現状も見て取れます。
残業が発生する原因は?
ナースの仕事で残業が発生する原因はいくつかあります。順番に見て行きましょう。
- ●慢性的な人手不足。
- 医療、福祉の現場では慢性的な人手不足の状態が長い間続いており、必要な人数を確保する事ができている施設はごくわずかというのが実情です。そのため、今働いているスタッフで業務を回すために残業せざるを得ない状況です。
- ●就業時間外に開催される会議や研修会が多い。
- これもナースの仕事の特徴ですが、常に新しい技術や法律が整備されるため、会議や研修会が頻繁に行われます。これらは多忙を極める就業時間中にはできないため、どうしても就業時間外での開催となってしまいます。
残業時間を減らすにはどうしたら良いか?
では、残業時間を減らすにはどの様な取り組みが有効なのか考えてみましょう。
- ●仕事のできる先輩を見習う
- 職場の中にいる、仕事のできる人を観察、あるいは質問し、効率的な仕事術を身に付ける事で、残業時間を減らせる可能性は大いにあります。残業時間が多くて悩んでいる事を率直に打ち明けて相談に乗ってもらう事も良いでしょう。きっと力を貸してくれます。
- ●残業ではなく始業時間前に仕事を始める
- 一見すると、問題の解決になっていない様に見えるかも知れませんが、既定の時刻より早めに仕事の準備を始める事で、1日の仕事をこなす効率がアップし、結果的に労働時間が短縮できる可能性があります。先入観を持たず、一度試してみる価値はあると言えるでしょう。
- ●職場の人間関係を密にする
- 残業時間が多い人は、それだけ多くの業務を一人で抱え込んでいる可能性があります。職場内でその事を他のスタッフと共有し、分担してもらえる業務に関しては遠慮なくお願いする事で抱えている仕事量を少しでも減らす事ができます。
- ■まとめ
- いかがでしたでしょうか?今回は、ナースの残業事情についてお伝えしました。少しでも状況が改善する方向に動いて行くと良いですね。