No.303 ナース特有の専門用語は必然
どの様な業界でも専門的な職種の世界には、専門用語と呼ばれるその世界の人たちだけに通用する言葉があります。医療の世界にもナース特有の専門用語や略語があります。これは使い慣れた人たちの間では便利な言葉ですが、最初は戸惑う事でしょう。今回は、ナースの専門用語について見てまいりましょう。
ナースの世界
ナースという職業はある種特別な業種と言えると思います。医療現場では専門用語が当たり前のように飛び交い、医療関係者以外では殆ど意味不明な言葉が多いのもナースの世界の特徴です。
医療関係のテレビドラマの影響で、その専門用語が一般人でも理解できるまで広まった言葉も案外多くある事に少し驚くこともあるかも知れません。例えばオペなどは、案外手術の事を指す言葉だと理解している人は多いものです。
これと同じでバイタルとかICU・アッペなどはなんとなく理解できる方は、多いのではないでしょうか。しかし、これはナースの専門用語と呼ぶよりもうすでに一般的な日常語と言っても良いかも知れ無いほど普及している言葉です。
またナースの世界では、それが専門用語と意識せず使われている言葉も多く存在します。これらを例に挙げるには余りにも多すぎてかえって混乱する事になるかも知れませんが、いきなりさぁ「イブニングケア」を行いますよと言われても意味が通じる方はほぼいないでしょう。
先にも述べたようにナースの世界は、ある意味で特殊な世界です。ナースになる為には専門的な知識や技術のみならず、医療に関する専門的な用語も知識として修得しなければならないワードも多く存在します。
ナースになるとはそれらを履修しなくてはならないのです、という事は必然的に専門的な用語も覚えていかなければ仕事が出来ないという事になってしまいます。大工の世界で金槌という言葉を聞いた時それが何かを知らないと仕事が出来ないといった事と同じです。
ナースの専門用語は必然的なもの
またナースの専門用語は、ある意味必然と言える場合もあります、患者さんを目の前にしてナース同士の会話の全貌が全て患者に伝わってしまっては、余り都合がよろしくない場合も場面によれば出てきます。
ナースは患者の病状や現状について詳しく知りえる立場にあります。その情報の中には患者本人や若しくは家族にも知らせてはならない注意事項も存在します。そういった場合ナースの専門用語で会話する事により必要のない情報を伝えずに済むメリットがあります。
例えばですが患者が亡くなる事を「ステる」という用語で表しますが。ナース同士の会話であっても「昨日Aさんが亡くなった」と会話するより「昨日Aさんがステってね」という方が、他の患者さんたちには伝わりにくいと言う事があります。
こういったように院内で余り話しづらい会話などはナース同士の用語で会話する事で、いたずらに噂を広める事がないように、という配慮という観点からも必要な事ではないでしょうか。
ナースの専門用語は必然と利便性の両面を持ち合わせています。私達一般人があえて知る必要はないと思いますが、もし気になった場合は素直にナースにその言葉の意味を尋ねるのは良い事ではないでしょうか。
- ■まとめ
- ナースの専門用語は勉強しながら覚えるものと、経験していくうちに自然と身につくものがあります。しかし、決して専門用語という意味以外に大きな意味はありません。決して侮蔑的な意味合いで使われる事はありませんので大きく意識するものではないと思います。