No.310 看護師の心構え形成に役立つ、著名なナースが残した名言
医師による診断や治療のサポートに携わる一方、患者さんの身体やメンタルのケアを担う看護師。その務めを果たしていくには、確固たる心構えが肝要と言えます。それを培う上で、看護の先人たるナースたちが残した名言が助けとなることでしょう。
看護師としての心得
患者さんの抱える傷病と向き合い、場合によっては生死に関わる責任が伴う看護師としての職務。それに日々取り組んでいくには、医療に関する専門的な知識や技能を習得することが第一となります。
それは、看護師資格取得を目指す学校や養成機関等でのカリキュラムのみならず、看護師として就職した後も継続して取り組んでいかねばなりません。医学の発展は日進月歩、その流れに対応すべく、所属する医療機関に導入される機器および医療や看護のノウハウを身につけていく必要があるわけです。
加えて、患者さんの苦しみや生死に日々向き合わなければならない関係上、精神的にも肉体的にも厳しい仕事内容と言えます。そのような状況に耐えられる精神力・忍耐力・努力も、看護師の素養として不可欠です。
このように看護師の職務には、日々の自己研鑽やメンタル的な強さが求められます。その前向きな姿勢を維持していく上で、自分と同じように看護に取り組んできた先達が残してきたメッセージに目を向けることも、大きな励ましとなるでしょう。
ナイチンゲールの名言
看護師の職務に日々従事する中では、気持ちが落ち込みそうになる場面も多々あることでしょう。その昔、クリミア戦争の最中、負傷者を敵味方分け隔てなく看護した姿勢が賞賛され「看護教育の母」とも称されるフローレンス・ナイチンゲールは、次のような言葉を残しています。
『人間は、一生に一度だけでなく、一日ごとに気持ちを新たにしていかなければならない』
気分が落ち込んでいると、これから先ずっとこの状態が続くと思いがちです。しかし実際は、毎日違う出来事の連続と言えるでしょう。それに合わせて気持ちをリセットし、落ち込んだ気持ちを引きずらないことの大切さを示した言葉と言えます。
ヴァージニア・ヘンダーソンの名言
看護の現場では、患者さんの気持ちに寄り添うことが重要です。しかし時として、患者さんとどう向き合えばいいのか悩むこともあるでしょう。
看護における14の基本的構成要素を提唱したアメリカの看護研究家・ヴァージニア・ヘンダーソンは、著書の中で以下のような文言を残しています。
『自分自身を知ることは他者を知る際の土台であり、自尊心は他者を敬うことの基本』
そこには、「自分自身を大切にしている人は、相手のことも大切に思うことができる」という考え方が示されていると言えます。自分のことを大切に思う気持ちを、患者さんの側に立って考えれば、患者さんのことを親身に思える気持ちが芽生えることを示しています。
- ■まとめ
- 以上のように、看護士としての自身の在り方を見つめ直す際に、偉大な功績を残したナースたちの言葉を振り返ることも有効です。
- 著名な先達の言葉のみならず、より身近な職場の先輩たちと良好なコミュニケーションを確立し、そのアドバイスを受けることも極めて有効と言えます。それによって自身を成長させると共に、前向きに日々の務めを果たす上での、大きな原動力が得られるでしょう。